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光と余白が調律する、静謐な構成 ― 家族の声とピアノの音色が、吹き抜けを通してひとつになる住まい ―

建築の視点_バウハウスデザインの建築事例「光と余白が調律する、静謐な構成」建築家/赤松純子|外の喧騒から一歩入ると、光と影が静かに呼吸する空間が広がります。開くでも閉じるでもない“中間の領域”に、人が安心して佇める居場所をつくりたかったのです。

光と余白が調律する、静謐な構成 ― 家族の声とピアノの音色が、吹き抜けを通してひとつになる住まい ―

規則正しく並ぶ住宅地の一角で、建築家・赤松純子は「西上方の空の抜け」に着目し、光を導く設計を描きました。古家の「暗さ・暑さ寒さ・不便な動線」という課題を解決し、吹き抜けを介して家族の気配と音が心地よく響く空間へ。ピアノスペースや収納計画もご家族の希望を丁寧に反映し、結果として「暮らしに豊かさをデザインする」というバウハウスデザインの信念が息づく住まいとなりました。 正午に近い陽光の下、格子とガルバリウム鋼板、石垣のように構成された外構が重なり、素材の質感と陰影が際立つ。門柱には木を用い、硬質と柔らかさの対比が街並みに落ち着きを添える 格子の裏側は庇と外壁の間に生まれた奥行きのある空間。室内とは切り離されながらも、光や風、人の気配を感じる“社会との中間領域”として、暮らしと街をやわらかくつないでいる。 足元まで下げた大きな窓から、庭の植栽がまるで絵のように切り取られる。室内に居ながら外の四季を感じられる設計で、暮らしに自然のリズムを取り込む。 ダイニングからも、ピクチャーウィンドウ越しに見える緑が生活の背景となる。食卓に自然光が届き、時間とともに光が移ろう様子が日常に豊かさを添える。 バックセット上部は吹き抜けとなり、上階から柔らかな光が降り注ぐ。機能とデザインが調和し、料理をする時間までも心地よく整えられている。 階段横の通路のような場所にピアノを置いても、なおゆとりを感じる空間構成。数値では表せない“広がりの感覚”を建築的な工夫で実現している。 吹き抜けの階段や窓辺、陽だまりの床など、猫が家中をのびのびと歩き回る。建築の余白がそのまま遊び場となり、光や風の流れとともに、家族と同じ時間を自由に楽しんでいる。 吹き抜けを通してLDKの家族の気配や声、生活のリズムがやわらかく届く。上下階を隔てず、互いの存在を感じながら心地よい距離感でつながる、建築的な一体空間。 吹き抜けから降り注ぐ光と、多方向からの採光が交わる1階の窓辺。やわらかな明るさに包まれ、時間の移ろいとともに陰影が変化する。家の中心に、自然の光が息づくような場所。 吹き抜けには南・東・上部から多方向の光が差し込み、時間や季節によって表情を変える。階ごとに異なる明るさを生み、住まい全体が自然光に包まれる設計。 家の中心に配した階段は、家族が行き交う気配をつなぐ場であり、猫が穏やかにくつろぐお気に入りの場所。暮らしの動線に、さりげなく“余白”をつくる設計。 木の質感と鉄骨のシャープなラインが響き合う階段。吹き抜けからの光が段板を照らし、素材の陰影が際立つ。強さと温もりが共存するディテールが、住まい全体の印象を引き締めている。 視界が大きく開けるバルコニーは、外の風や光を感じながら心を解放できる場所。屋外でありながら、内部の延長のような心地よさをもたらす。 家族全員の衣類をまとめて収納できる大容量のウォークイン式クローゼット。生活動線を短くし、家事の効率と暮らしの整えやすさを両立している。 DESIGN 赤松 純子 (一級建築士事務所 河添建築事務所) 建築家プロフィール 住宅は設計だけでなく、施主・設計・施工の三者で 共に作り上げるものです。 より良い三者のコミュニケーションを作り上げることを心掛けます! DETAILS 「光を引き込み、音が広がる家」 ―家族の声とピアノの音色が、吹き抜けを通してひとつになる住まい―

所在地:横浜市金沢区

敷地面積:46.08坪(152.36m²)

延床面積:34.18 坪(113.02m²)

家族構成:大人2人 こども2人+猫 Ua値:0.46W/m²K ηAc値:1.4(W/m²)/(W/m²) ηAc値:1.1(W/m²)/(W/m²) C値:0.12cm/m² 施工:2020年 土地の特徴と建築家の読み解き O様邸の計画地は、整然とした住宅地の一画。四周を隣家に囲まれ、日射や通風をどう確保するかが大きな課題でした。現地調査で赤松は、敷地西上方にぽっかり空が抜けているポイントを発見。そこから光を引き込み、住まい全体を明るくするイメージを持ちました。また、規則的な街並みに調和しつつも個性を放つファサードを意識し、ガルバリウム鋼板をベースにした外観で、落ち着きと存在感を両立しました オーナー様の要望

● ご主人:掃除がしやすい家、効率的な動線、収納力を重視

● 奥様:明るさやプライバシーに配慮しつつ、納戸や広いシューズクローク、猫の居場所などを確保したい

● お子様たち:ピアノを練習するスペースを独立して設けたい。人前での演奏を避けつつ、家族の気配は感じたいという思いがありました ご要望を反映した建築家の提案 赤松氏は、家族の希望を「吹き抜け」と「光の導線」でまとめ上げました。

● 吹き抜けリビング :2階とつながり、光と音が巡る中心的空間

● ピアノスペース :ランドリーと入れ替え、吹き抜けに面したフリースペースに設置。これにより音楽が家中に広がり、家族の時間を彩る設計となりました

● 収納計画 :大容量のシューズクローク、FCL、納戸を確保。ご主人の几帳面さと奥様の「生活感を隠したい」希望を両立

● キッチンとダイニング :一体的につなぐことで目線が奥へ伸び、コンパクトながら広がりを感じられる空間を実現 住まいの仕様が醸し出す暮らしの価値

● 外観はガルバリウム鋼板とウリン材で、街並みに馴染みつつも個性を表現

● 床材には無垢材を採用し、木の温もりと経年美化を楽しめる

● 収納と清掃性を意識した水回り・設備計画で、日常のストレスを軽減

● 最新の住宅設備(食洗機、エコジョーズ、フチレス便器)で省エネ性と快適性を両立 暮らしの豊かさの実現 完成したO様邸は、光と音、家族の気配が響き合う家です。

● 吹き抜けを通して届くお嬢様のピアノの音は、家族の暮らしに豊かさを添える存在に

● コンパクトながら視線の抜けや動線の工夫で、想定以上の広がりと快適性を獲得

● 収納と動線、居場所のバランスが整い、日常が心地よく持続する住まいとなりました 赤松氏が語るように「設計はチームの仕事」。施主と建築家、工務店が対話を重ねて築いたこの住まいは、バウハウスが掲げる「暮らしの中に豊かさをデザインする」哲学を体現しています。

ガルバリウム鋼板で仕上げた落ち着いた外観デザインの注文住宅

エントランス

エントランス

外観

リビング

リビング

コンパクトながら広がりを感じるキッチンダイニング設計

ピアノスペース

吹き抜け

吹き抜け

キッチン

リビング階段

リビング階段

リビング階段

視界が大きく開けるバルコニー

収納力を重視した大容量のウォーク・イン・クローゼット

赤松純子 写真